コラム

2019.07.24

研修や会議におけるワークショップ形式のメリットとデメリットとは?

今やビジネスシーンでも「ワークショップ」という言葉をよく聞くようになりました。ワークショップ形式での会議や研修を積極的に行う企業も増えています。ですが実際、どのような研修や会議をワークショップ形式と呼ぶのでしょうか?ここでは意外と知らないワークショップの基礎知識と、ワークショップ形式で研修や会議を行うメリット・デメリットについてお話します。

ワークショップとは何か?

そもそも「ワークショップ」には、「工房」「作業場」や「仕事場」、「講習会」「研究会」といった意味があります。今ではワークショップと聞くと、「研修」や「体験型学習」をイメージする方も多いのではないでしょうか。
ワークショップは1960年代以降、主に芸術的な分野において、新たな創作や創造の場として世界中から注目を集めはじめます。特に演劇界において、既存の概念に捕らわれない独自の演技力、演出力を創造するための試みとしてワークショップが盛んに取り入れられるようになり、最初は演技力、演出力のトレーニングとして開催されていたワークショップが、のちに集団創作劇という新しい形式の演劇へと発展していったのです。
さらに日本でも1980年代以降、演劇をはじめ美術や音楽、ダンスなどの芸術分野において、芸術家たちが講師となり、参加者が実際に芸術に触れる機会を取り入れた参加型学習、体験学習としてのワークショップが広く開催されるようになりました。
現代では、ビジネスシーンにおいてもワークショップが活用されており、多くの企業がワークショップ形式での新人研修や社内会議を導入しています。従来からある受講型の研修からワークショップ形式(参加体験型)での研修に切り替えることで、ビジネスにおいても新たな創造を生み出す機会を作り出そうとしているのです。

ワークショップ形式の会議や研修の進め方で大事なこと

ワークショップ形式での会議や研修では、心得ておくべき大事なことが2つあります。ワークショップの進め方のなかでも特に大事な2つのポイントについて解説します。

・ワークショップの進め方で大事なポイント①ファシリテーターの存在

ワークショップの進め方で大事なポイント1つ目は、ファシリテーターの存在です。ファシリテーターとは、ワークショップ形式での会議や研修における司会者・進行役といった役割を持っています。ワークショップで行うロールプレイングなどの体験、意見交換や議論に直接参加するのではなく、参加者の作業がうまくはかどっていない時に声掛けをしたり、また意見交換においては、議論が横道にそれてしまったときに軌道修正したり、意見をまとめたりする仕事があります。ファシリテーターの腕次第でワークショップの成果は大きく変わってくるため、ワークショップを効率よく進めるために、ファシリテーターは大事な役割を担っているのです。

・ワークショップの進め方で大事なポイント②話しやすい雰囲気

ワークショップの進め方で大事なポイント2つ目は、参加者が積極的に意見を出せるように、話しやすい雰囲気を作ることです。ワークショップは参加型の学習・研修会。参加者が意見を交換し合いながら知識や理解を深めるのが理想的な会ですが、中には思ったことを発言するのが苦手な人もいるものです。ワークショップの成果を高めるためには、参加者ができるだけリラックスして発言できるような空間作り、話しやすい雰囲気作りがとても重要になってきます。

研修や会議におけるークショップ形式のメリットとデメリット

ワークショップ形式での研修や会議は一般的になりつつありますが、当然ワークショップ形式にはメリットもデメリットもあります。ワークショップを導入する前に、メリットとデメリットを確認しておきましょう。

・ワークショップのメリットは参加者主体であること

ワークショップの最も大きなメリットには、参加者主体の研修・会議を行うことができることです。一方的に話を聞くようなセミナーや講習会と違って、参加型・体験型であることから、「会の構成メンバーとしての実感が湧く」「参加者主体で進められる」という点は、特に新人研修などにおいては、ビジネスにシーンにおいて能動的に動く、積極的に意見交換するということを学ぶ機会になるというメリットがあります。また、会議においても参加者の双方向的なコミュニケーションに基づいて進行することにより、「自分たちで決めた」「自分たちが作った」という実感がわきやすく、仕事に対する意欲が高まるといったメリットも期待できます。

・ワークショップのメリットは参加者の相互理解が深まること

ワークショップ形式のメリットとしては、参加者同士がディスカッションすることで相互理解が深まるという点もあげられます。ビジネスシーンにおいて、一緒に働く同僚がどんな思考を持っていている人なのか、お互いに知り合うことは大切です。プロジェクトを進めていくうえで円滑なコミュニケーションを図るためにも、特に普段は積極的に意見を言わないタイプの人にとってワークショップは貴重な会議の場となるでしょう。

・ワークショップのデメリットは結論・成果が出にくいこと

ワークショップ形式で行う会議のデメリットとしては、新しいアイデアや企画に対する意見交換や議論を交わすことが目的となってしまい、話し合いの結果がうやむやになってしまうという点が挙げられます。参加者全員でディスカッションをすると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。参加者としては、長い時間をかけて意見交換をした、自分の考えを発言することができたという達成感を得られますが、結果として何も決まっていない、方向性が定まらないなど、会議の成果がないがしろになってしまう可能性があるのです。
また、ワークショップ形式で行う研修においても、しっかりと自分の頭を使って考え、参加・体験することによって理解を深めていかなければ研修の意味がありません。自分の頭で考えられる程度の知識や思考が身についていない場合は、何も発言できずにただ研修の場に居るというだけの時間が過ぎてしまう可能性もあります。特に専門的な知識が必要な研修の場合、自分の知識がまだ浅いという人は、セミナー形式で基礎を学んだ方が効果的でしょう。

・ワークショップのデメリットを回避するためには?

ワークショップ形式を研修や会議で取り入れる場合、結論や成果が出にくいというデメリットを回避するためには、ファシリテーターの能力が必要になります。上手に会を進行させることができる人をファシリテーターに任命しましょう。また、研修としてワークショップに参加するときは、参加者側にも心構えが必要です。参加者側は、ワークショップ研修受講中だけでなく、ワークショップ終了後もその内容をしっかりと復習し、学ぶことが大切です。それによって、はじめてワークショップの成果が出るのです。

最後に

ワークショップ形式のメリットとデメリットを解説しました。研修でも会議でも、ワークショップの成果を出すためには、適切な環境作りが必要です。少人数でのディスカッションが多くなるワークショップでは、周囲から影響を受けずに集中できる空間として、小部屋や小会議室のような場所をチョイスするのがおすすめです。オフィスに大会議室しかない場合は、貸し会議室を利用して、集中して発言しやすい空間を作っていくことをおすすめします。