学会発表を成功させるには、事前の準備が重要だと言われています。
そこで今回は、学会発表の流れや準備のポイント、注意点などを分かりやすく解説します。
学会とは、学者や研究者が研究成果を発表して、研究内容の妥当性を検討や議論を行う場です。
活動の内容は各学会によって異なりますが、学者や研究者が研究の成果を発表する場を作ることで、研究者同士の交流や新たな研究成果を普及させる目的もあります。
一般的に学会の発表形式には、「口頭発表」と「ポスター発表」の2種類があります。
口頭発表とは、スライドなどの資料を使いながら、発表者がプレゼンを行うものです。
発表時間は1人あたり15分程度、発表後に5分程度の質疑応答の時間が設けられることが多いです。
質疑応答の進行は司会担当者が行うため発表者が進行する必要はありません。
口頭発表は、自分だけの発表時間を確保できるため、事前の準備を十分に行うことで質の高い発表ができる点がメリットです。一方で、質疑応答の時間が限られているため、1対1でのコミュニケーションは取りにくいという面があります。
ポスター発表は、ポスターを作成し、掲示されたポスターの前で発表を行うものです。 発表者は、聴衆者がポスターの前で立ち止まったときに、聴衆者からの要望に応じて研究内容の説明や質疑応答などを行います。 ポスター発表は、聴衆者と直接的なコミュニケーションが取りやすいというメリットがありますが、場合によっては伝えたい内容を十分に伝えきれないといったケースもあります。
一般的な学会発表は、以下のような流れで行います。
学会発表の冒頭には、簡単な自己紹介をしましょう。所属や氏名などを簡潔に述べる程度で構いません。 また、進行役が紹介してくれるケースもあります。
研究発表の前に、なぜその研究に至ったのか、社会・生活とどのような接点があるのか、研究から何が明らかになるのかといった内容を簡潔にまとめて説明します。 研究の背景は、研究結果がどのような意味を持ち、どのように活かされる可能性があるものなのかを伝える重要な部分です。 研究の背景を聴衆者に明確に伝えることは、学会発表の成功につながるポイントになるでしょう。
次に、どのような方法でその研究を行ったのか、研究の手法を発表します。 研究の手法は一つとは限らず、失敗した方法や実験的に試してみた方法など、さまざまなストーリーがあるかと思います。 ただし、重要なのは次に説明する研究結果や考察の部分なので、あまり時間をかけ過ぎないように注意しながら簡潔に説明しましょう。
研究結果については、今回の研究によってどのような成果を得られたのか、データや図表などを用いて分かりやすく簡潔に発表します。 どんなデータを準備するかは研究内容によって異なりますが、限られた時間内で伝えられるよう視覚的に分かりやすい資料や音声、動画などを用意し、要点を絞って簡潔に説明しましょう。
研究の結果からどんなことが分かったのか、自身の考察を伝えます。 また、今回の研究で解決に至らなかった部分がある場合は問題提起をし、今後の研究に向けた課題として触れると良いでしょう
最後に、今回の研究に関する要点をまとめましょう。特に重要な部分を要約して説明し、質疑応答につなげます。
上記の内容は、あくまでも一例です。 参加する学会や持ち時間、研究内容によって発表の構成を変えたほうが良い場合もあるでしょう。 いずれにしても、学会における一人当たりの発表時間は限られているため、口頭発表だけですべてを説明するのは不可能です。 口頭では要点のみを簡潔に説明し、詳細は資料で補足するなど、発表の構成はしっかりと検討しましょう。
続いては、学会の発表に必要な準備の進め方やポイントを解説します。
最学会発表用のスライドやポスターを作るときに意識したいポイントは、以下の通りです。
学会発表用の資料は、文字の量が多くなり過ぎないように注意して、フォントの種類やサイズは見やすいものを選ぶのがポイントです。Power Pointを利用してスライドを作成する場合は、アニメーションを多用したり、色を多く使い過ぎたりすると見ている人が発表に集中できなくなってしまうため、できるだけシンプルで分かりやすい資料作りを心掛けましょう。
スライドやポスターなどの発表資料とは別に、口頭発表用の台本を用意しておくことをおすすめします。 当日発表する内容やセリフをすべて原稿にまとめるのも良いですが、ただ原稿を読み上げているだけの発表にならないように注意が必要です。 発表の流れや重要なポイントのみを箇条書きにしておくと、緊張で発表内容が思い出せなくなるという事態を回避することができ、時間に応じて臨機応変な対応もしやすくなります。
学会発表の練習をするときは、当日発表するセリフを一旦すべて書き出して、時間配分を見ながら丸暗記ができるくらい何度も練習するのがおすすめです。 また、練習をするときは原稿を黙読するのではなく、しっかり声に出して練習しておくことが大切です。何度も練習すればするほど自信につながり、当日もスムーズに言葉が出やすくなります。
学会発表では、聞き手に研究内容をしっかりと伝えるために、いくつか注意しておきたい点があります。
学会で発表時間が超過してしまうと、多くの人に迷惑をかけることになります。 事前に時間を意識した練習を行い、当日の発表も時間内で終わるように注意しましょう。
学会発表自体は事前に練習することができますが、質疑応答はその場で回答を行わなければなりません。 だらだらと長い説明は避け、できるだけ簡潔に答えることを心掛けましょう。
学会発表後の質疑応答では、間違いを指摘されたり、鋭い質問をされたりすると不安になることもあります。 やっていないことや分からないことについては、他の質問にすり替えたりせず、素直に答えたほうが良いでしょう。
学会を成功させるには、研究発表の事前準備以外に、適切な会場を選ぶことも大切です。 赤坂インターシティーコンファレンス(AICC)は、学会の参加人数に合わせて、複数の会議室から適した会場を選んでいただくことができます。また、都内主要駅からほぼ10分圏内で移動が可能な東京メトロ溜池山王駅(国会議事堂前駅)直結のビルにあり、アクセスも抜群です。 音響設備・演台・司会台・ブルーレイプレイヤーなど無料でご使用いただける備品も多く、メイン会場の映像や音声をサブ会場に同時配信や、控室でモニタリングといった使い方をしていただくことも可能です。 学会発表の会場探しの際は、赤坂インターシティコンファレンス(AICC)にお気軽にご相談ください。